わかりやすい経済の話ということで、この本を手に取ってみました。
たまに経済についての本を手に取りたくなるのはなんなのだろうか。
1.なぜ格差が生まれるのか
格差が生まれたのは、農耕により余剰が生まれたから。
余剰を独占する者が現れ、余剰を守るために、軍隊や宗教や文字、そして余剰が経済を作った。
2.市場経済とは?
市場経済とはあらゆるものに交換価値が生まれることである。
特に生産の3要素(1.生産技術、2.労働力、3.土地)これらに交換価値がうまれたとき、市場がある経済から市場経済となった。
市場経済となった社会はより利益を追求するようになり、利益中心の社会へと発展していく。
3.二つの悪魔は人間的
二つの悪魔とは労働マーケットとマネーマーケットのことだ。
最低労働賃金が安くなれば、雇用は増えるように考えれるが、実際にそうではない。社会に不安を覚え雇用主は雇用をしなくなる。そして、経済は不景気になっていく。
低金利で中央銀行がお金を貸しだすと、経済がまわるように思えるが、実際にそうではない。社会に不安を覚えた経営者は借金をしなくなる。そして、経済は不景気になっていく。
二つの悪魔は同じような性質をもっていて、悪い予想を実現化する力をもっているのだ。
4.格差をなくすにはどうすればよいか。
それは、機械やテクノロジーの恩恵をみんなで共有することだ。そしてすべての人がその所有者となるべきだ。と筆者は考えています。
しかし、資本家はそれを拒否します。自分達の富が減ってしまうからです。また、そのような民主主義は、脆く、何も決まらない社会になってしまう。
では、どうするか?
ひとつは「あらゆものの商品化」がです。
大気や水や人間さえ、商品化され交換価値が生まれると、もっとも価値をうみだせるものが、もっとも高額でそれら購入する。
そして、利益を生むものは大切に扱われるというのだ。
これが、商品化の考え方、資本主義の考え方だと思います。
しかしこれでは資産家が儲け優先になってしまいます。
一方で、筆者は「あらゆるものの民主化」を推しています。
筆者は通貨を民主化し、国家を民主化することだ。と述べています。
民主主義は欠陥が多いシステムだが、1番ましな政治システムだから、書かれています。
5.経済について、みんなが学ぶ必要がある。
経済は経済学者に任せてはいけない。というのが、筆者の考えでした。
経済学は物理学のように、再現性が不確かで、例えば、金融危機のときにどうすればよかったのか、はだれにも結論を出すことができません。
なので、経済学者のいうことは机上の空論であることが多いというのです。
筆者が経済学者になったのは、経済学者にまかせてはいけないからと考えたからです。
6.感想
娘に語りかけるという書き方なので、非常に読みやすく感じましたが、5章くらいは、むずかしく感じました。しかし、経済がどういったものであるかや、現在の課題については理解が進んだと思っています。
気に入っているのは、2つの悪魔の部分と民主化vs商品化のあたりです。
どうしても、文章力が足りずおもろさを表現できませんでしたが、読んでいる最中の引き込まれる感覚はすごいものでした。
また、時を空けて読んでみると、新しい発見がありそうです。
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