今回は「所得控除」についてのお話です。
以前に、「医療費控除」の記事を書きましたが、これも「所得控除」の一部です。
病気はお金もかかるため、所得税の一部を免除してくれる制度です。
他にもたくさんの「所得控除」がありますので、確認していきましょう。
これを知っていれば、所得税を安くでき得をすることができます。
あなたのまわりの人に知らないひとがいたら、教えてあげましょう。
1.所得税とは?~控除の話の前に~
日本では、大きく分けて「4つの税金」があります。
4つ税金「所得税」「住民税」「事業税」「消費税」
その名の通り、稼いだ所得に対してかかる税金が「所得税」となります。
所得税には、「累進課税制度」という制度が使われていて、簡単にいうと稼ぐほど高い税率を課せられます。
私のような会社員の方は、毎月給料から天引きされていますので、給料明細を確認してみましょう。
2.控除の大切さを知ろう~所得税の計算~
まずは、そもそも所得とは?
「所得」=「売上」ー「経費」
さらに、所得から「控除」を引いたもの(課税所得)に「所得税」がかかります。
「課税所得」=「所得」ー「控除」

つまり、税金をやすくするためには課税所得を小さくすればいいんだね。
「経費」と「控除」を大きくすることで、納める税金は少なくなる!
今回は、「控除」についてです、それでは、どんな控除があるかを見ていきましょう。
3.14の所得控除
控除には、「14の区分」があります。
1つ1つ特徴を簡単に説明していきます。
1.基礎控除
「すべての人」が受けられる控除です。
対象:すべての人
控除額:48万円(2020年~変更されています)
2.扶養控除
子供や親等の扶養している人がいるときに受けられる控除です。
19歳~23歳の子供や、70歳以上の父母がいる場合、控除が大きくなります。
対象:年間の所得が48万円以下で16歳以上の扶養家族がいる(配偶者以外)
控除額:48万円~63万円(扶養親族の年齢による)
3.配偶者控除
年間の所得が48万円以下の配偶者がいるときに受けられる控除です。
所得がない人は、すべての人が受けられる「基礎控除」の恩恵を受けられません。
そこで、所得のない配偶者は、その生活を支えている配偶者の所得から控除の恩恵を受けられるようになっています。
対象:年間の所得が48万円以下の配偶者がいる人
控除額:13万~48万円
4.配偶者特別控除
配偶者が年間の所得が48万円を超えていても、受けれる場合があります。
「配偶者特別控除」は「配偶者控除」の適用を超えたときに、税金が急増しないための制度です。
133万まで段階的に税率が増えていきます。
また、納税者の合計所得が1000万円を超える場合は適用されません。
対象:年間の所得が48万円超~133万円以下の配偶者がいる人
控除額:1万~48万円
5.障碍者控除
本人または、家族に障碍者がいる場合受けられる控除です。
対象:本人、配偶者、扶養家族が障害を持つ場合
控除額:27万~75万円
以前に障害年金についてまとめた記事も一緒に確認ください。
6.勤労学生控除
学校で学びながら、勤労をしている人ための控除です。
対象:本人が学生で、勤労による所得がある人
控除額:27万円
7.寡婦(寡夫)控除・ひとり親控除
寡婦(寡夫)のための控除です。
対象:
①夫と離婚した後婚姻をしておらず、扶養親族がいる人で、合計所得金額が500万円以下
②夫と死別した後婚姻をしていない人又は夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人
控除額:27万円
また、上記の①or②に加え、生計をともにしている子がいる場合は、「ひとり親控除」が適用されます。
2019年までは「特別の寡婦」という名前でした。
対象:寡婦控除の①②の条件に加え、扶養している子がいる人
控除額:35万円
8.社会保険料控除
社会保険料を支払っている人のための制度です。
また、家族の分も支払っている人は、その分も控除額として含まれます。
対象:社会保険料を支払っている人
控除額:支払った社会保険料分
9.生命保険料控除
生命保険を支払っている人のための制度です。
ただし、節税を目的として生命保険に入るのはやめましょう。
対象:生命保険料を支払っている人
控除額:上限12万円(種類によって決まっています)
生命保険の控除については、この記事で詳しく説明しています。
10.地震保険料控除
地震保険を支払っている人のための制度です。
対象:地震保険料を支払っている人
控除額:上限5万円
11.医療費控除
年間10万円以上の医療費を支払っている人のための制度です。
10万円を超えた分の医療費を所得控除とすることができます。
対象:年間10万円以上の医療費を支払っている人
控除額:10万円を超えた金額分
医療費控除については、以前にまとめていますのでご確認ください。
12.小規模企業共済等掛金控除
個人事業主で小規模企業共済掛金等を納めている人のための制度です。
小規模企業共済は福利厚生の弱い個人事業主のための制度です。
対象:小規模企業共済に加入している人
控除額:支払っている全額
13.寄付金控除
国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支払った場合に適用される制度です。
「ふるさと納税」もこの寄付金控除に含まれます。
対象:国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支払った人
控除額:寄附金額(所得の40%が上限)-2,000円
14.雑損控除
自然災害や火災、盗難、横領などによって損失があった人が受けられる控除です。
3年間繰り越すことができます。
対象:自然災害や火災、盗難等によって「通常の生活に必要な財産」を失った人
控除額:①「差引損失額」-「総所得金額等」×10%
②「差引損失額のうち災害関連支出の金額」-5万円
の大きいほういずれか
「差引損失額」とは「損失額」+「災害等に関連したやむを得ない支出の金額」-「保険金などにより補てんされる金額」となっています。
「災害関連支出の金額」とは、災害により滅失した住宅、家財などを取壊し又は除去するために支出した金額などです。

計算はかなり複雑になりますが、自然災害等の被害にあったときに使える控除があることをしっかり覚えておきましょう。
4.まとめ
今回は14の所得控除について、ざっくり見ていきました。
それぞれの詳細はまた記事にしたいと思います。
「ふるさと納税」をしたり、「医療費」が高額になったり、「扶養」に入れたり、入ったりと様々な控除がありました。
まずは、会社員でも確定申告をすることで税金がお得になったりするので、確認しておきましょう。

控除をうまく使って、税金をお得に納めましょう。
記事作成にあたり、間違いがないよう調べましたが、もし間違いや変更点がありましたらご指摘いただけると幸いです。
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